第3章 化学結合

結晶の分類と性質

固体の物質には、イオン結晶・分子結晶・共有結合の結晶・金属結晶の4種類があります。
この章の締めくくりとして、4種類を横断的に整理します。
「なぜ融点が違うのか」「なぜ硬さが違うのか」はすべて粒子間の結合力で説明できます。

14種類の結晶 ─ 大比較表

粒子が規則正しく配列した固体を結晶といいます。結晶は、その構成粒子の種類と粒子間の結合の種類によって、次の4つに分類されます。

結晶の種類 構成粒子 粒子間の結合 融点 硬さ 電気伝導性
(固体)
電気伝導性
(水溶液・融解液)
水への溶解性 代表例
イオン結晶 陽イオン・陰イオン イオン結合
(静電気力)
高い 硬いがもろい なし あり 溶けやすいものが多い NaCl、KNO3、MgO
分子結晶 分子 分子間力
(弱い引力)
低い やわらかい なし なし 極性分子は溶けやすい
無極性分子は溶けにくい
CO2(ドライアイス)、I2、ナフタレン、H2O(氷)
共有結合の結晶 原子 共有結合
(非常に強い)
非常に高い 非常に硬い
(黒鉛は例外)
なし
(黒鉛・Siは例外)
なし 溶けない ダイヤモンド C、ケイ素 Si、二酸化ケイ素 SiO2、黒鉛 C
金属結晶 金属原子 金属結合
(自由電子)
高いものが多い
(例外もあり)
硬いものが多い
(例外もあり)
あり あり(一般に水と反応) 水と反応するものが多い Fe、Cu、Al、Na
本質:結晶の性質は「粒子間の結合力」で決まる

4種類の結晶の性質の違いは、すべて粒子間の結合力の強さから説明できます。

結合力が強いほど → 融点が高い・硬い・電気を通しにくい(例:共有結合の結晶)
結合力が弱いほど → 融点が低い・やわらかい(例:分子結晶)

個々の性質を丸暗記するのではなく、「どの粒子が、どの力で結びついているか」から性質を導く習慣をつけましょう。

2イオン結晶の特徴(3-1の復習)

イオン結晶は、陽イオンと陰イオンが静電気力(クーロン力)によって規則正しく配列した固体です。イオン結合は比較的強い結合のため、融点は高い傾向があります。

イオン結晶の主な性質

  • かたいがもろく、割れやすい。外力を加えると同符号のイオン同士が向かい合う層がずれ、強い反発力が生じて一気に割れる(へき開)。
  • 固体の状態では電気を導かない。イオンの位置が固定されているため、電荷が移動できない。
  • 融解液や水溶液は電気を導く。融解または溶解によってイオンが自由に動けるようになるため。
  • 水に溶けやすいものが多い。水分子の極性がイオンを取り囲む(水和)ことで安定化する。ただし、CaCO3 や AgCl のように水に溶けにくいものもある。
融点の高低はイオン間距離とイオンの価数で決まる

イオン間の静電気力は、イオンの電荷の積が大きいほど、またイオン間距離が小さいほど強くなります。したがって次の傾向があります。

  • 価数が大きいほど融点が高い(例:MgO > NaCl)
  • イオン半径が小さいほど融点が高い(例:NaF > NaCl > NaBr)

イオン結晶については「3-1 イオン結合とイオン結晶」で詳しく扱いました。この節ではその位置づけを確認します。

3分子結晶の特徴

気体の二酸化炭素 CO2 を冷却するとドライアイスになります。このように、多数の分子が分子間力によって規則正しく配列してできた固体を分子結晶といいます。

分子間力とは

分子間力は、イオン結合・共有結合・金属結合などの化学結合と比べて非常に弱い力です。主な種類として、すべての分子間に働くファンデルワールス力と、F・O・N に結合した H を介する特に強い水素結合があります。

分子結晶の主な性質

  • 融点が低い。分子間力が弱いため、比較的低い温度で固体から液体になる。常温で気体や液体の物質も多い。
  • やわらかく、くだけやすい。分子間力が弱いため、変形しやすい。
  • 電気を導かない。荷電粒子(イオンや自由電子)が存在しないため。
  • 昇華しやすいものがある。特に無極性分子からなる物質(CO2、I2、ナフタレンなど)は分子間力が非常に弱いため、固体から直接気体になりやすい。

主な分子結晶の例

ドライアイス CO2

二酸化炭素の固体。常圧では昇華(固体 → 気体)し、液体にならない。二酸化炭素分子は分子内では共有結合(C=O の二重結合)で結びついているが、分子どうしを結びつけているのは弱いファンデルワールス力のみ。そのため、融点は −78.5℃(昇華点)と非常に低い。

ヨウ素 I2

常温では黒紫色の固体で、昇華性をもつ。加熱すると液体にならず直接紫色の気体になる。無極性の二原子分子からなる分子結晶であり、分子量が比較的大きい(254)ためファンデルワールス力はドライアイスより強く、融点は 114℃。

ナフタレン C10H8

常温では白色固体で、特有の芳香をもつ。昇華性があり、防虫剤として利用されてきた。分子間力はファンデルワールス力のみで、融点は 80℃。

氷 H2O

水分子どうしが水素結合で結びついた分子結晶。水素結合はファンデルワールス力より格段に強い分子間力であるため、同程度の分子量の物質と比べて融点(0℃)・沸点(100℃)が著しく高い。また、水素結合によりすき間の多い構造をとるため、氷の密度は液体の水より小さく、氷は水に浮く。

分子結晶の融点はなぜ低いのか
分子結晶を構成するのは電気的に中性の分子
分子間に働く力は分子間力のみ(イオン結合・共有結合よりはるかに弱い)
弱い力を断ち切るのに少ないエネルギーで足りる
融点が低い(常温で気体・液体のものも多い)

4共有結合の結晶の特徴

多数の非金属元素の原子が共有結合で次々と結びつき、規則正しく配列してできた固体を共有結合の結晶といいます。結晶全体が1つの巨大な共有結合の網目構造を形成しているため、組成式(分子式ではない)で表します。

共有結合の結晶の主な性質

  • 非常に硬い。共有結合は強い結合であり、結晶全体が共有結合でつながっているため。(黒鉛は例外:層間は弱い分子間力で結合しているためやわらかい)
  • 融点が非常に高い。強い共有結合を断ち切るには大きなエネルギーが必要なため。
  • 電気を導かない。すべての価電子が共有結合に使われており、自由に動ける電子が存在しない。(黒鉛・ケイ素は例外)
  • 水に溶けない。共有結合は強すぎて水分子では引きはがせない。

主な共有結合の結晶の例

ダイヤモンド C

炭素原子 C がもつ4個の価電子をすべて使って正四面体形の立体構造をつくり、それが三次元的に連なって結晶を形成する。天然に存在する物質の中で最も硬く(モース硬度10)、融点は約4000℃(高圧下)。電気を導かない。宝飾品や切削工具として利用される。

黒鉛(グラファイト)C

炭素原子 C が4個の価電子のうち3個を使って正六角形の平面網目状構造をつくり、その層が弱い分子間力で積み重なった構造をとる。同じ炭素原子からなる共有結合の結晶だが、構造がまったく異なる(炭素の同素体)。残り1個の価電子が層内を自由に動けるため、電気をよく導く(例外的な性質)。やわらかく、なめらか(鉛筆の芯や電極に利用)。

ケイ素 Si

ダイヤモンドと同じく正四面体構造をもつ共有結合の結晶。電気伝導性は金属と絶縁体の中間で、半導体とよばれる。集積回路(IC)や太陽電池の材料として現代の電子産業に不可欠。

二酸化ケイ素 SiO2

Si 原子を中心に O 原子が正四面体の頂点の位置にある構造が三次元的に繰り返されてできる。石英・水晶・けい砂として天然に広く存在する。融点は 1650℃ 程度で非常に高い。光ファイバーの原料として利用される。

注意:CO2 と SiO2 はなぜ全然違うのか

どちらも非金属元素の酸化物ですが、性質はまったく異なります。

CO2:C=O の二重結合をもつ分子が分子間力で集まった分子結晶 → 融点が低く昇華する
SiO2:Si–O 単結合が三次元的に無限に続く共有結合の結晶 → 融点が非常に高い

Si は C と同じ14族ですが、Si–Si 間より Si–O 間の結合の方が安定なため、SiO2 では酸素がすべての Si 間を橋渡しする構造になります。

物質融点(℃)硬さ電気伝導性
ダイヤモンド C約 4000(高圧下)最も硬いなし
二酸化ケイ素 SiO2約 1650硬いなし
ケイ素 Si1410硬いあり(半導体)
黒鉛 C約 3550(昇華)やわらかい(層間)あり

5金属結晶の特徴(3-6の復習)

金属結晶は、金属原子が金属結合によって規則正しく配列した固体です。金属結合では、価電子が特定の原子に縛られず結晶全体を自由に動き回る自由電子となり、これが金属原子どうしを結びつけています。

金属結晶の主な性質

  • 電気をよく導く(電気伝導性)。自由電子が電場の下で一方向に流れることで電流が生じる。
  • 熱をよく伝える(熱伝導性)。自由電子が熱エネルギーを運ぶ。
  • 金属光沢をもつ。自由電子が可視光を反射するため、特有の輝きを示す。
  • 展性・延性をもつ。力を加えると原子の層がずれても、自由電子が原子の再結合を助けるため割れずに変形する(イオン結晶とは対照的)。
  • 融点・硬さは金属によって大きく異なる。価電子数が多く、原子半径が小さいほど金属結合が強くなる(例:W 3410℃ >> Na 98℃)。
金属結晶の結晶格子

金属結晶の主な結晶格子には3種類あります。

  • 体心立方格子(Na, K, Feなど):配位数 8
  • 面心立方格子(Cu, Al, Auなど):配位数 12
  • 六方最密構造(Mg, Znなど):配位数 12

面心立方格子と六方最密構造は原子の充填率が最も高く(約74%)、効率よく原子が詰まった構造です。

金属結晶については「3-6 金属結合と金属の性質」で詳しく扱いました。この節ではその位置づけを確認します。

6結晶の種類の見分け方

物質名や組成式が与えられたとき、どの種類の結晶かを判断する手順を整理します。

フローチャートで判断する

金属元素のみからなる単体か?
YES → 金属結晶
↓ NO
金属元素と非金属元素の化合物か?
YES → イオン結晶(多くの場合)
↓ NO
共有結合の結晶の例外として
暗記している物質か?
(ダイヤモンドC、黒鉛C、Si、SiO2など)
YES → 共有結合の結晶
↓ NO
分子結晶(非金属元素のみからなる分子)
注意:NH4Cl はイオン結晶

塩化アンモニウム NH4Cl は非金属元素(N、H、Cl)だけでできていますが、NH4+ と Cl というイオンが構成粒子であるため、イオン結晶に分類されます。「金属元素を含まないからイオン結晶ではない」とは言い切れません。フローチャートは目安であり、実際の物質をきちんと把握することが重要です。

物質名から推定する主なルール

  • 金属単体(Na、Fe、Cu、Al など)→ 金属結晶
  • 金属元素を含む化合物(NaCl、MgO、CaCO3 など)→ 大半はイオン結晶
  • ダイヤモンド・黒鉛・ケイ素・二酸化ケイ素 → 共有結合の結晶(暗記)
  • 上記以外の非金属元素のみからなる物質(H2O、CO2、I2、C10H8 など)→ 分子結晶
本質:結晶の性質は「粒子間の結合力」で決まる(再確認)

4種類の結晶の性質の差は、すべて粒子間の結合力の強さの差です。

共有結合 ≈ イオン結合 > 金属結合 >> 分子間力

この序列を頭に入れておけば、「分子結晶の融点が低い」「共有結合の結晶は非常に硬い」「金属は電気を導く」といった性質が、すべて論理的に導けます。個々の性質を丸暗記するのではなく、根拠から考える習慣を身につけましょう。

7この章を俯瞰する

第3章「化学結合と結晶」では、物質の構成粒子と粒子間の結合の種類によって、物質の性質がどのように決まるかを学びました。以下に、各節と他の章とのつながりを整理します。

  • 3-1 イオン結合とイオン結晶 → 4章「物質量と化学反応式」:NaCl のモル計算・式量の根拠。酸塩基(8章):塩の定義と性質。
  • 3-2〜3-5 共有結合と分子 → 有機化学(19〜21章):共有結合・官能基・分子の極性の概念が全編の基礎。
  • 3-6 金属結合と金属の性質 → 酸化還元(6章)・電気化学(9〜10章):金属のイオン化傾向・電池・電気分解。
  • 3-7 結晶の分類と性質(本節) → 融点・電気伝導性など「物質の種類を見分ける」問題に直結。化学基礎・化学の入試で頻出。
  • 結晶格子・単位格子 → 化学(数量計算):単位格子の一辺・充填率・アボガドロ定数を絡めた計算問題。

第4章からは「物質量(mol)」を学びます。3章で学んだ4種類の結晶の区別が、式量の計算や反応量の計算でも活きてきます。

8まとめ

  • 結晶はイオン結晶・分子結晶・共有結合の結晶・金属結晶の4種類に分類される
  • イオン結晶:陽イオンと陰イオンが静電気力で配列。硬くてもろい。水溶液や融解液は電気を導く
  • 分子結晶:分子が分子間力で配列。融点が低く、やわらかく、昇華しやすいものがある
  • 共有結合の結晶:原子が共有結合で無限に連結。非常に硬く融点が極めて高い。代表例:ダイヤモンド・Si・SiO2
  • 金属結晶:金属原子が自由電子(金属結合)で結びつく。電気・熱を導き、展性・延性をもつ
  • 結晶の性質の差は粒子間の結合力の強さから説明できる:共有結合 ≈ イオン結合 > 金属結合 >> 分子間力
  • 物質の種類の見分け方:金属単体→金属結晶、金属含む化合物→イオン結晶、ダイヤモンド等の例外→共有結合の結晶、それ以外→分子結晶

9確認テスト

Q1. イオン結晶が「硬いがもろい」理由を説明してください。

▶ クリックして解答を表示外力を加えると陽イオンと陰イオンの層がずれ、同符号のイオンが向かい合う状態になって強い反発力が生じるため、一気に割れてしまうからです。

Q2. 分子結晶の融点が一般に低い理由を、「分子間力」という語を使って説明してください。

▶ クリックして解答を表示分子結晶では、分子どうしが弱い分子間力で結びついているため、少ないエネルギーでその力を断ち切ることができ、比較的低い温度で固体から液体になるからです。

Q3. ダイヤモンドは電気を導かないのに、同じ炭素からなる共有結合の結晶である黒鉛は電気を導きます。その理由を構造の違いから説明してください。

▶ クリックして解答を表示ダイヤモンドでは炭素原子の4個の価電子がすべて共有結合に使われているため、自由に動ける電子がありません。黒鉛では炭素原子が4個の価電子のうち3個を共有結合に使い、残りの1個が層内を自由に移動できるため、電気を導きます。

Q4. CO2(ドライアイス)と SiO2(石英)はどちらも非金属元素の酸化物ですが、結晶の種類が異なります。それぞれ何結晶か答え、融点に大きな差がある理由を説明してください。

▶ クリックして解答を表示CO2は分子結晶(弱い分子間力で結合)、SiO2は共有結合の結晶(強い共有結合で無限に連結)です。CO2は弱い分子間力を断ち切るだけでよいため融点(昇華点)が約−79℃と低いのに対し、SiO2は強い共有結合全体を断ち切る必要があるため融点が約1650℃と非常に高くなります。

10入試問題演習

基礎(A)から発展(C)まで段階的に取り組んでみてください。

A 基礎レベル

3-7-1 A 基礎 選択

次の(ア)〜(オ)の物質を、イオン結晶・分子結晶・共有結合の結晶・金属結晶に分類せよ。

  • (ア)塩化ナトリウム NaCl
  • (イ)ドライアイス CO2
  • (ウ)ダイヤモンド C
  • (エ)銅 Cu
  • (オ)ヨウ素 I2
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

(ア)イオン結晶 (イ)分子結晶 (ウ)共有結合の結晶 (エ)金属結晶 (オ)分子結晶

解説

(ア)NaCl は Na+ と Cl がイオン結合でできたイオン結晶。(イ)CO2 は二酸化炭素分子が弱い分子間力で集まった分子結晶。常圧では昇華する。(ウ)ダイヤモンドは炭素原子が共有結合で三次元的につながった共有結合の結晶。(エ)銅は金属原子が金属結合(自由電子)でつながった金属結晶。(オ)I2 は二原子分子が分子間力で集まった分子結晶。昇華性をもつ。

B 標準レベル

3-7-2 B 標準 論述・選択

次の(1)〜(4)の記述に最もよく当てはまる結晶の種類を、下のア〜エから選べ。また、(3)と(4)については理由も説明せよ。

(1)構成粒子は陽イオンと陰イオンで、かたいがもろく割れやすい。固体では電気を導かないが、水に溶かすと電気を導く。

(2)融点が非常に高く、非常に硬い。組成式で表され、電気を導かない。

(3)融点が低く、やわらかい。固体・水溶液ともに電気を導かない。一部の物質には昇華性がある。

(4)電気・熱をよく導き、特有の光沢をもつ。薄く延ばしたり細く引き伸ばしたりすることができる。

ア:イオン結晶 イ:分子結晶 ウ:共有結合の結晶 エ:金属結晶

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

(1)ア (2)ウ (3)イ (4)エ

(3)理由:分子間力は弱い力なので少ないエネルギーで粒子を引きはがすことができ、融点が低くやわらかくなる。電荷を帯びた粒子がないため電気を導かない。

(4)理由:金属結晶では価電子が自由電子として結晶中を動き回れるため電気・熱を伝えやすい。また、力を加えても自由電子が原子の再結合を助けるため割れずに変形できる(展性・延性)。

解説

(1)「かたいがもろい」「固体では電導性なし・水溶液で電導性あり」はイオン結晶の特徴。(2)「非常に高い融点」「非常に硬い」「組成式」はすべて共有結合の結晶の特徴。(3)分子間力の弱さが融点の低さ・やわらかさ・昇華性の原因。(4)自由電子が電気伝導・熱伝導・展性・延性の原因。

採点ポイント(配点例:各4点、論述各4点)
  • (3)分子間力が弱いことに言及(2点)、電気的に中性なため電気を導かないことに言及(2点)
  • (4)自由電子に言及(2点)、展性・延性の理由(自由電子が原子の再結合を助ける)に言及(2点)

C 発展レベル

3-7-3 C 発展 総合・論述

次の5種類の固体 A〜E について、以下の問いに答えよ。

固体 A:外見は白色の粉末で電気を導かない。水に溶かすと電気を導く。ハンマーでたたくと砕ける。
固体 B:外見は灰色の金属光沢をもつ固体で電気をわずかに導く(半導体)。ハンマーでたたくと砕ける。
固体 C:外見は無色透明の固体で電気を導かない。ハンマーでたたくと砕ける。水に溶けない。融点は非常に高い。
固体 D:白色の固体で電気を導かない。水に溶けて水溶液にしても電気を導かない。融点が低い。
固体 E:銀白色の固体で電気をよく導く。ハンマーでたたくと薄く広がる。

(1)A〜E のそれぞれが、イオン結晶・分子結晶・共有結合の結晶・金属結晶のどれかを答えよ。

(2)固体 A と固体 E をハンマーでたたいたときの変化の違いとその理由を説明せよ。

(3)固体 C の具体的な物質として考えられるものを2つ挙げ、それぞれの化学式を書け。

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

(1)A:イオン結晶 B:共有結合の結晶(半導体) C:共有結合の結晶 D:分子結晶 E:金属結晶

(2)A(イオン結晶)は砕ける:外力で陽イオンと陰イオンの層がずれ、同符号のイオンが向き合って強い反発力が生じるため。E(金属結晶)は薄く広がる:外力を加えても自由電子が原子間の結合を維持するため、割れずに変形できる(展性・延性)。

(3)ダイヤモンド C、二酸化ケイ素 SiO2(ほかにケイ素 Si でも可)

解説

B は電気をわずかに導く(半導体)という特徴からケイ素 Si と判断できる。ケイ素は共有結合の結晶だが、電気伝導性は金属(導体)と絶縁体の中間の半導体である。C は「電気を導かない・水に溶けない・融点が非常に高い」という共有結合の結晶の典型的な性質をもつ。D は「電気を導かない(水溶液でも)・融点が低い」から分子結晶。水溶液でも電導性がないのはイオンが生じないためで、非電解質(砂糖やナフタレンなど)の分子結晶が該当する。

(2)のポイントは「イオン結晶がもろい理由」と「金属結晶が展性・延性をもつ理由」を対比させて論じること。前者は同符号イオンの反発、後者は自由電子の働きが鍵。

採点ポイント(配点例:(1)各1点×5、(2)6点、(3)4点)
  • (1) 各1点(5点)
  • (2) A:同符号イオンの反発→砕ける(3点)、E:自由電子が結合を維持→変形(3点)
  • (3) 2物質の正確な化学式(各2点)