第4章 物質量と化学反応式

化学反応式と量的関係

化学反応式は単なる「反応の記録」ではありません。係数の比が物質量の比に直結するという事実が、化学計算のすべての基盤になっています。
この記事では、化学反応式の書き方から始め、係数が表す量的関係を理解し、質量・体積・過不足を含む計算まで一貫して学びます。

1化学反応式の書き方

物質の成分元素の組み合わせが変わり、別の物質が生じる現象を化学変化(化学反応)といいます。化学反応式(反応式)は、化学式を用いてこの変化を表したものです。

化学反応式の基本ルール

  • 反応する物質(反応物)を左辺、生成する物質(生成物)を右辺に書き、矢印(→)で結ぶ
  • 左辺と右辺で各原子の種類と数が等しくなるように、化学式の前に係数をつける
  • 係数は最も簡単な整数比にする(係数が1の場合は省略する)
  • 触媒・溶媒・加熱などの条件は、矢印の上下や反応式の外に示す(反応物・生成物には含めない)

例:水素と酸素が反応して水が生成する反応

2H2 + O2 → 2H2O

未定係数法の手順

複数の原子を含む化合物が関係する反応式は、未定係数法(各係数を文字でおき、連立方程式で解く方法)が便利です。

手順は次のとおりです。

  1. 反応物と生成物を確認し、化学式を左辺・右辺に並べる
  2. 最も複雑な化学式(原子の種類が多い化合物)の係数を仮に 1 とおく
  3. 各元素について「左辺の原子数=右辺の原子数」の方程式を立てる
  4. 方程式を解いて係数を決め、全体を最小整数比に整える
例題

エタン C2H6 の完全燃焼を化学反応式で表せ。

反応物:C2H6、O2 生成物:CO2、H2O

解答

C2H6 の係数を仮に 1 とおく。

C の数:左辺 2 個 → CO2 の係数は 2

H の数:左辺 6 個 → H2O の係数は 3

O の数:右辺 2×2 + 3×1 = 7 個 → O2 の係数は 7/2

全体を 2 倍して整数比にする:

2C2H6 + 7O2 → 4CO2 + 6H2O

発展:未定係数法で複雑な反応式を解く化学

Cu と希硝酸(HNO3)の反応のように、多種の原子が絡む場合は係数をすべて文字でおいて連立方程式を立てる。Cu + HNO3 → Cu(NO3)2 + H2O + NO の各係数を a, b, c, d, e とすると、Cu・H・N・O の各方程式から a=3, b=8, c=3, d=4, e=2 と決まり、次の式が得られる。

3Cu + 8HNO3 → 3Cu(NO3)2 + 4H2O + 2NO

2化学反応式の係数が表す量的関係

化学反応式の係数には、反応の量的な意味が込められています。

係数比 = 分子数の比 = 物質量の比

係数は各物質の粒子(分子・原子・イオン)の数の比を表しています。どの係数にも同じ数(例えばアボガドロ定数 NA)を掛ければ、物質量〔mol〕の比に変換できます。

係数比 = 粒子の数の比 = 物質量〔mol〕の比

本質:係数比=物質量の比が化学計算の核心

化学反応式の係数は「何個ずつ反応・生成するか」を表しており、それがそのまま「何 mol ずつ反応・生成するか」になります。この事実が化学量論計算のすべての出発点です。質量や体積への変換は、この物質量の比を軸に行います。「質量の比 = 係数比」ではありません。各物質のモル質量が異なるため、質量の比は係数比とは一般に一致しないことに注意してください。

一酸化炭素の燃焼を例とした量的関係の表

2CO + O2 → 2CO2 を例に、係数が表すすべての量的関係を整理します。CO、O2、CO2 のモル質量はそれぞれ 28 g/mol、32 g/mol、44 g/mol です。

量の種類 2CO O2 2CO2
係数の比 2 1 2
分子の数〔個〕 2NA NA 2NA
物質量〔mol〕 2 mol 1 mol 2 mol
質量〔g〕 28×2 = 56 g 32×1 = 32 g 44×2 = 88 g
気体の体積〔L〕
(標準状態)
22.4×2 = 44.8 L 22.4×1 = 22.4 L 22.4×2 = 44.8 L

上の表のポイントをまとめると次のとおりです。

  • 物質量の比は係数の比(2:1:2)に等しい
  • 質量の比は係数の比とは一致しない(56:32:88 = 7:4:11)
  • 気体同士の体積の比(同温・同圧)は係数の比に等しい(アボガドロの法則より)
  • 質量の総和は反応の前後で変わらない(質量保存の法則
落とし穴:「係数比 = 質量比」ではない

2H2 + O2 → 2H2O において、係数比は 2:1:2 ですが、質量の比は 4:32:36 = 1:8:9 です。係数比がそのまま質量比になるのは、すべての物質のモル質量が等しい場合だけで、一般的には成立しません。計算は必ず「物質量の比 = 係数の比」を経由してから質量に換算してください。

3化学反応式を使った計算

化学量論計算の手順は次の3ステップです。

  1. 与えられた物質の物質量〔mol〕を求める
  2. 化学反応式の係数比から、求めたい物質の物質量〔mol〕を計算する
  3. 物質量を質量や体積に換算する

質量から質量を求める計算

例題 1

カルシウム Ca 2.0 g をすべて水と反応させたとき、生じる水酸化カルシウム Ca(OH)2 の質量を求めよ。(Caのモル質量: 40 g/mol、Ca(OH)2のモル質量: 74 g/mol)

解答

化学反応式:Ca + 2H2O → Ca(OH)2 + H2

係数比:Ca : Ca(OH)2 = 1 : 1

Ca の物質量:2.0 g ÷ 40 g/mol = 0.050 mol

Ca(OH)2 の物質量:係数比 1:1 より、0.050 mol

Ca(OH)2 の質量:0.050 mol × 74 g/mol = 3.7 g

体積から質量を求める計算

気体が関係する場合は、標準状態(0 ℃、1.013×105 Pa)における気体のモル体積(22.4 L/mol)を使って体積を物質量に変換します。

例題 2

標準状態で 5.6 L のメタン CH4 を完全燃焼させたとき、生じる水 H2O の質量を求めよ。(H2O のモル質量: 18 g/mol)

解答

化学反応式:CH4 + 2O2 → CO2 + 2H2O

係数比:CH4 : H2O = 1 : 2

CH4 の物質量:5.6 L ÷ 22.4 L/mol = 0.25 mol

H2O の物質量:係数比 1:2 より、0.25 × 2 = 0.50 mol

H2O の質量:0.50 mol × 18 g/mol = 9.0 g

例題 3

マグネシウム Mg 1.2 g を塩酸と十分に反応させたとき、発生する水素 H2 の体積(標準状態)を求めよ。(Mg のモル質量: 24 g/mol)

解答

化学反応式:Mg + 2HCl → MgCl2 + H2

係数比:Mg : H2 = 1 : 1

Mg の物質量:1.2 g ÷ 24 g/mol = 0.050 mol

H2 の物質量:係数比 1:1 より、0.050 mol

H2 の体積:0.050 mol × 22.4 L/mol = 1.12 L ≒ 1.1 L

なぜ計算を「物質量」経由にするのか
化学反応式の係数比 = 物質量の比(粒子の数の比)
質量は「物質量 × モル質量」で換算できる
気体の体積は「物質量 × 22.4 L/mol」で換算できる(標準状態)
すべての量は「物質量」を介してつながっている

4過不足のある反応

実際の反応では、反応物の一方が過剰で、他方が不足する(すべて消費される)ことがよくあります。このような場合を過不足のある反応といいます。

限定試薬の考え方

反応が先に使い切られる側の物質を限定試薬(不足試薬)といいます。限定試薬がすべて消費された時点で反応は止まります。生成物の量は限定試薬の量から決まります。

過不足のある反応の解法手順
  • 1. 両方の反応物の物質量を計算する
  • 2. 化学反応式の係数比から、一方の物質がすべて反応したと仮定したときの他方の必要量を計算する
  • 3. 実際の量と比較して、どちらが不足するか(限定試薬)を特定する
  • 4. 限定試薬の物質量を基に、生成物の量と余った物質の量を計算する
例題 4(過不足)

アルミニウム Al の粉末 5.4 g と酸化鉄(III) Fe2O3 の粉末 8.0 g を反応させた。生じる Fe の質量と残る物質の質量を求めよ。(Al: 27 g/mol、Fe2O3: 160 g/mol、Fe: 56 g/mol、Al2O3: 102 g/mol)

解答

化学反応式:2Al + Fe2O3 → Al2O3 + 2Fe (係数比 2:1:1:2)

各物質の物質量:

Al: 5.4 g ÷ 27 g/mol = 0.20 mol

Fe2O3: 8.0 g ÷ 160 g/mol = 0.050 mol

過不足の確認:係数比より、0.20 mol の Al と過不足なく反応する Fe2O3 は 0.10 mol 必要。しかし実際の Fe2O3 は 0.050 mol しかない。よって Fe2O3 が限定試薬(先に消費される)。

反応した Al の物質量:係数比 2:1 より、0.050 mol × 2 = 0.10 mol

2AlFe2O3Al2O32Fe
反応前〔mol〕0.200.05000
変化量〔mol〕−0.10−0.050+0.050+0.10
反応後〔mol〕0.1000.0500.10

Fe の質量:0.10 mol × 56 g/mol = 5.6 g

残る Al の質量:0.10 mol × 27 g/mol = 2.7 g(Al が余る)

本質:「変化量の表」で過不足問題を系統的に解く

反応前・変化量・反応後の3行からなる「ICE テーブル」(Initial / Change / End)を書く習慣をつけると、過不足のある反応でも混乱せずに解けます。変化量の行は係数比に比例し、限定試薬の変化量を基準に他の物質の変化量を決めます。このフォーマットは酸塩基・酸化還元・電気分解など、あらゆる量的計算に使えます。

5イオン反応式

水溶液中でイオンが関係する反応では、実際に反応に関与するイオンだけを取り出した式が使われます。これをイオン反応式といいます。

イオン反応式のつくり方

塩化カルシウム CaCl2 水溶液と炭酸ナトリウム Na2CO3 水溶液を混合すると、炭酸カルシウム CaCO3 の白色沈殿が生じます。

化学反応式:CaCl2 + Na2CO3 → CaCO3↓ + 2NaCl

両辺をイオンに分けると:Ca2+ + 2Cl + 2Na+ + CO32− → CaCO3↓ + 2Na+ + 2Cl

反応に関与しないイオン(Na+、Cl)を省略すると:

Ca2+ + CO32− → CaCO3

Ca2+ と CO32− のように、反応に直接関与せず式の両辺に同じように現れるイオンを傍観イオン(スペクテーターイオン)といいます。

イオン反応式の特徴

  • 左辺と右辺で原子の種類と数が等しい(通常の化学反応式と同様)
  • 左辺と右辺で電荷の総和も等しい(イオン反応式固有の条件)
  • 反応の本質(正味の変化)が明確になる
例題 5

硝酸銀 AgNO3 水溶液に銅 Cu 線を浸すと、銀 Ag が析出し硝酸銅(II) Cu(NO3)2 が生じた。このイオン反応式を書け。(硝酸銀、硝酸銅(II) はすべて電離している。)

解答

化学反応式:2AgNO3 + Cu → 2Ag + Cu(NO3)2

両辺をイオンに分けると:2Ag+ + 2NO3 + Cu → 2Ag + Cu2+ + 2NO3

NO3(傍観イオン)を省略する:

2Ag+ + Cu → 2Ag + Cu2+

確認:左辺の電荷の総和 = +2+0 = +2、右辺 = 0+2 = +2。電荷が一致しているので正しい。

6この章を俯瞰する

化学反応式と量的関係は、化学のすべての計算問題の基盤となる最重要単元です。以下に、ここでの知識が他の章とどうつながるかを整理します。

  • 物質量(mol) → 4-1「物質量とアボガドロ定数」:係数比=物質量の比の前提として、mol と粒子数・質量・体積の変換を確認しておく。
  • 酸塩基の量的関係 → 5-4「中和滴定」:酸と塩基の物質量の比(中和の量的関係)は、まさに化学反応式の係数比の応用。中和点の計算はここで学んだ手順の直接の発展。
  • 酸化還元の量的関係 → 6-4「酸化還元反応の量的計算」:酸化剤・還元剤の mol 比の計算も、化学反応式の係数比から導く。過不足のある反応として扱うことも多い。
  • 電気分解の量的関係 → 6-6「電気分解の量的計算」:電荷量〔C〕から析出・発生する物質の mol を求める計算は、ファラデーの法則と係数比の組み合わせ。
  • 気体の法則 → 4-3「気体の法則」:標準状態以外の体積計算では気体の法則を使うが、mol を軸にした考え方は同じ。

次の記事では、酸・塩基の定義と性質を学びます。中和反応の量的計算(第5章)でこの記事の手順が再登場します。

7まとめ

  • 化学反応式は左辺に反応物、右辺に生成物を書き、両辺の原子の種類と数が等しくなるよう係数をつける
  • 複雑な反応式の係数は未定係数法(各係数を文字でおき連立方程式で解く)で決定できる
  • 化学反応式の係数比=粒子数の比=物質量〔mol〕の比(係数比は質量比ではない)
  • 気体同士では、係数比は同温・同圧における体積比にも等しい(アボガドロの法則)
  • 化学量論計算は「質量・体積 → mol → 係数比で mol を換算 → 質量・体積」の手順で進める
  • 過不足のある反応では、先に使い切られる限定試薬の物質量を基に生成量を計算する
  • イオン反応式は、傍観イオンを省いて反応の本質だけを表した式で、両辺で電荷の総和も等しい

8確認テスト

基本事項の確認

Q1. 化学反応式 2H2 + O2 → 2H2O において、H2 と O2 と H2O の物質量の比を答えよ。

▶ クリックして解答を表示 係数比がそのまま物質量の比になるので、H2 : O2 : H2O = 2 : 1 : 2

Q2. プロパン C3H8 の完全燃焼を化学反応式で表せ。(生成物は CO2 と H2O)

▶ クリックして解答を表示 C3H8 + 5O2 → 3CO2 + 4H2O (C3H8の係数を1として:C→CO2が3個、H→H2Oが4個、O→O2は(6+4)/2=5個)

Q3. ナトリウム Na 4.6 g を水と完全に反応させたとき、発生する水素 H2 の体積(標準状態)を求めよ。(Na の反応:2Na + 2H2O → 2NaOH + H2、Naのモル質量: 23 g/mol)

▶ クリックして解答を表示 Na の物質量:4.6 ÷ 23 = 0.20 mol。係数比 2Na:1H2 より H2 は 0.10 mol。体積:0.10 × 22.4 = 2.24 L ≒ 2.2 L

Q4. 硝酸銀 AgNO3 水溶液に塩化ナトリウム NaCl 水溶液を加えると塩化銀 AgCl の白色沈殿が生じた。このイオン反応式を書け。

▶ クリックして解答を表示 Ag+ + Cl → AgCl↓ (傍観イオンである Na+ と NO3 を除いた正味の反応を表す。左辺の電荷の総和 = +1−1 = 0、右辺 = 0 で一致している。)

9入試問題演習

基礎(A)から発展(C)まで段階的に取り組んでみてください。

A 基礎レベル

4-5-1 A 基礎 選択

化学反応式に関する次の記述のうち、正しいものをすべて選べ。

  • ① 化学反応式の係数比は、各物質の質量の比を表す。
  • ② 化学反応式の係数比は、各物質の物質量〔mol〕の比を表す。
  • ③ 気体どうしの場合、同温・同圧で係数比は体積比にも等しい。
  • ④ 化学反応式では、触媒も左辺に反応物として書く。
  • ⑤ イオン反応式では、左辺と右辺で電荷の総和も等しくなる。
▶ クリックして解答・解説を表示
解答

②③⑤

解説

① 誤り。係数比は物質量の比であり、各物質のモル質量が異なるため、一般に質量の比とは一致しません。② 正しい。係数は粒子の数の比であり、アボガドロ定数を掛けても比は変わらないので物質量の比と等しくなります。③ 正しい。アボガドロの法則より、同温・同圧では同じ物質量の気体は同じ体積を占めるので、係数比=体積比になります。④ 誤り。触媒は反応の前後で変化しないため、化学反応式の反応物にも生成物にも書かず、矢印の上や下に条件として示します。⑤ 正しい。イオン反応式は原子の数だけでなく電荷の総和も両辺で等しくなっていることが必要です。

B 標準レベル

4-5-2 B 標準 計算

炭酸カルシウム CaCO3(モル質量100 g/mol)の粉末 5.0 g に、十分な量の希塩酸を加えたところ、次の反応が起こった。

CaCO3 + 2HCl → CaCl2 + H2O + CO2

(1) 反応した HCl の物質量〔mol〕を求めよ。(HCl のモル質量: 36.5 g/mol)

(2) 発生した CO2 の体積〔L〕を標準状態で求めよ。

(3) 発生した CO2 の質量〔g〕を求めよ。(CO2 のモル質量: 44 g/mol)

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解答

(1) CaCO3 の物質量:5.0 ÷ 100 = 0.050 mol。係数比 CaCO3:HCl = 1:2 より、HCl = 0.050 × 2 = 0.10 mol

(2) 係数比 CaCO3:CO2 = 1:1 より、CO2 = 0.050 mol。体積:0.050 × 22.4 = 1.12 L ≒ 1.1 L

(3) CO2 の質量:0.050 × 44 = 2.2 g

解説

まず CaCO3 の物質量を求め、それを基準に係数比から他の物質の物質量を求めます。(1) の HCl は係数が 2 なので CaCO3 の 2 倍、(2)(3) の CO2 は係数が 1 なので CaCO3 と等 mol です。最終的に体積へは「× 22.4」、質量へは「× モル質量」で換算します。このフローは化学量論計算のすべてで共通です。

採点ポイント(各3点 計9点の例)
  • CaCO3 の物質量を正しく計算(各問共通の基礎)
  • 係数比を正しく用いて各物質の mol を求めている
  • 単位変換(× 22.4 または × モル質量)が正確

C 発展レベル

4-5-3 C 発展 過不足・総合

プロパン C3H8(モル質量44 g/mol)と酸素 O2 の混合気体がある。プロパンの完全燃焼は次式で表される。

C3H8 + 5O2 → 3CO2 + 4H2O

混合気体中のプロパンは標準状態で 4.48 L、酸素は標準状態で 16.0 L であった。

(1) プロパンをすべて燃焼させるのに必要な酸素の体積〔L〕(標準状態)を求めよ。

(2) 反応後に残る気体とその体積〔L〕(標準状態)を求めよ。ただし水は液体になるものとする。

(3) 反応後の気体の全体積〔L〕(標準状態)を求めよ。

▶ クリックして解答・解説を表示
解答

各物質の物質量:C3H8: 4.48 ÷ 22.4 = 0.200 mol、O2: 16.0 ÷ 22.4 = 0.714 mol

(1) 0.200 mol の C3H8 を完全燃焼させるのに必要な O2:0.200 × 5 = 1.00 mol → 22.4 L

(2) 実際の O2 は 0.714 mol。必要量 1.00 mol に対して不足するので、O2 が限定試薬。反応した C3H8:0.714 ÷ 5 = 0.1428 mol。残る C3H8:0.200 − 0.143 = 0.0572 mol ≒ 0.057 mol → 体積:0.057 × 22.4 ≒ 1.28 L ≒ 1.3 L

(3) 生じた CO2:0.1428 × 3 = 0.4284 mol → 体積:0.4284 × 22.4 ≒ 9.60 L。全気体(CO2 + 残り C3H8):9.60 + 1.28 ≒ 10.9 L ≒ 11 L

解説

(1) は過不足の確認のための計算です。C3H8:O2 = 1:5 より、0.200 mol の C3H8 に対して 1.00 mol(22.4 L)の O2 が必要です。実際の O2 は 16.0 L = 0.714 mol しかなく、(1) で求めた 22.4 L より少ないため、O2 が先に使い切られます(O2 が限定試薬)。(2) では 0.714 mol の O2 を基準に反応量を計算します。H2O は液体になるため気体として残りません。(3) では残った C3H8 と生成した CO2 の体積の和を求めます。

採点ポイント(各4点 計12点の例)
  • (1) 係数比 1:5 を正しく用いて計算している
  • (2) O2 が限定試薬と特定し、残る C3H8 の量を正しく求めている
  • (3) 残り気体の種類(C3H8 と CO2、H2O は除く)を正確に把握している